新規事業を立ち上げる時、誰もが夢を描きます。「これが社会を変える一歩になる」「必ず成功できる」――私もそう信じて数々の挑戦をしてきました。しかし現実はどうでしょうか?ワクワクの裏側には、不安、迷い、そして失敗の連続が待ち受けています。
食品業界で25年以上、研究から経営まで歩んできた私が気づいたのは、「成功する新規事業には共通する道筋がある」ということです。それを私は「8つのプロセス」と呼んでいます。この記事では、私自身の経験と失敗を赤裸々に語りながら、そのプロセスを具体的に紹介していきます。
1. アイデアは「思いつき」ではなく「問題解決」から生まれる

私が初めて新規事業に挑戦したのは、20代の研究職時代でした。当時の私は「これが売れたら面白い」という思いつきで試作品を作っては上司に見せていました。しかし市場に出しても結果は惨敗…。なぜなら「顧客が抱える問題」に寄り添えていなかったからです。
後に気づいたのは、成功するアイデアは常に「解決すべき問題」から逆算して生まれるということ。例えば食品業界なら「アレルギー対応」「高齢者の食べやすさ」「廃棄削減」など、目の前にある現実の課題こそが出発点になります。
1-1. 「顧客の声」を数値化して見える化する

私は営業時代、毎日顧客の声をノートに書き留めていましたが、最初は活かし方が分かりませんでした。ところがデータとして整理し、数値化してみると「最も困っているのは表示の分かりにくさ」「一番不満が多いのは廃棄ロス」など、問題の核心が浮かび上がってきました。
ここで大切なのは「感覚ではなくエビデンス」で語ること。数字に落とし込むと、社内の説得力が一気に変わります。
2. ビジョンを描き、仲間に「共感」を生む

経営者として痛感したのは、「どんなに優れた事業計画も、仲間が腹落ちしていなければ進まない」ということです。
私が社長を務めた会社で、赤字から黒字化に挑んだとき。社員全員を前に「これは数字のための改革ではない。子どもたちの給食を守るためなんだ」と伝えました。その瞬間、会議室の空気が変わり、皆の目が輝いたのを今でも覚えています。
ビジョンは「お金」よりも「社会的意義」で語ると、人は動き出します。
2-1. 共感を呼ぶビジョンの描き方

私のおすすめは「Why・What・How」の順で語ること。
- Why(なぜやるのか)=食の安全・未来のため
- What(何をやるのか)=HACCP対応のDX化やスマート工場
- How(どうやるのか)=AI・IoT・人の知恵を融合させる
これを繰り返し発信すると、自然と仲間が集まってきます。
3. 小さく始め、早く失敗し、すぐ修正する

新規事業の最大の敵は「完璧主義」です。私も昔は、100点の企画を練ってからスタートしようとして時間を無駄にしました。しかし今は「まず小さく実験する」ことを徹底しています。
例えば新商品なら、まずは1店舗だけでテスト販売。反応を見て改善点を洗い出す。この繰り返しが成功への近道なのです。
3-1. 「失敗を資産化する」考え方

かつて私が挑戦した唐揚げキットの開発では、何度も企画が却下されました。しかし、その失敗を全部記録し、改良を重ねた結果、最終的に月間11トンの採用につながったのです。
「失敗こそ次の武器になる」。そう考えれば、怖さよりワクワクが勝つようになります。
4. 資金調達は「信頼残高」で決まる

資金調達において、金融機関は「数字」だけでなく「人物」を見ています。私は何度も融資を受ける立場になりましたが、最終的に通るかどうかは「この人なら返せる」と思ってもらえるかどうかでした。
信頼残高を築く方法はシンプルです。「約束を守る」「情報を隠さない」「相談を早めにする」。これを続けることで、資金面の不安は大きく減ります。
5. 法規制とコンプライアンスを武器に変える

多くの起業家が嫌がるのが「規制対応」。ですが、私は逆にチャンスだと考えています。食品表示、アレルゲン管理、HACCP対応…これらをいち早く取り入れることで「安心・安全の証明」となり、顧客の信頼を獲得できるからです。
6. デジタルとAIを導入し「仕組み化」で時間を生む

私は今、FACTA9という会社を立ち上げ、生成AIやIoTを食品業界に導入するお手伝いをしています。目的は単純です。「人がもっと創造的な仕事に時間を使えるようにするため」。
記録作業やチェックリストの自動化で、1日1時間でも人の負担が減れば、その時間を未来のアイデアに使える。これが仕組み化の力なのです。
7. パートナーを「競争相手」ではなく「共創相手」と見る

かつて私はOEM先工場を「管理すべき下請け」と捉えていました。しかし発想を変え「共に学ぶパートナー」とした瞬間、異物混入事故ゼロを実現できたのです。
食品業界はサプライチェーンで成り立つ世界。だからこそ「共創」の視点が新規事業成功のカギになります。
8. 最後に必要なのは「たった一つの決断」

ここまで8つのプロセスを紹介しましたが、最終的に必要なのは「決断」です。失敗を恐れて立ち止まるか、挑戦を選ぶか。
私自身、数々の挫折を経験しましたが、あの時の「挑戦する」という決断が、今のFACTA9を生んでいます。
まとめ
新規事業は、決して順風満帆には進みません。アイデア、仲間、資金、規制、失敗…その一つひとつが壁となります。しかし私は確信しています。「8つのプロセス」を意識して進めば、必ず突破口が見つかります。
今まさに挑戦を考えているあなたへ。どうか恐れずに、小さく始めてください。そして仲間と共に、失敗を資産に変え、未来へつなげてください。
あなたの挑戦が、日本の食卓を、そして世界の未来を豊かにするのです。
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参考情報
- 出典:SevenDex「新規事業立ち上げを成功させる8つのプロセス」 https://sevendex.com/post/35280/